石楠花のひと


 

濡れた瞳を 振り切って

ひとり身を引く この俺の

肩に冷たい 小糠雨

木立でそっと 名を呼べば

遠く微笑む 唇は

甘い紅色 石楠花のひと
 
風のひと・・・

 

待ち合わせした 四阿で

ひとり静かに 書を読めば

文字の間に間に 浮かぶ顔

幸せ祈る その裏で

奪い去れない 悔しさは

深い紅色 石楠花のひと

罪なひと・・・

 

くだる石段 忘れ霜

ふざけるように 軒下で

あの日重ねた 唇は

熱い紅色 石楠花のひと

夢のひと・・・

 


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